心臓リハビリテーション室 看護師

若草の緑が眩しい季節になりました。みなさんいかがお過ごしですか?
私は、岐阜ハートセンターの2階にあります心臓リハビリテーション室で働いている看護師の岩間といいます。看護師になって十何年になります。今までは病棟で勤務していましたが、昨年の4月から心臓リハビリテーション室に配属されました。心臓リハビリテーションという言葉を聞いたことはありますでしょうか? リハビリと聞くと骨折した後の関節可動域訓練や運動療法を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。心臓リハビリテーションは心筋梗塞後に早期離床をするために始められました。心筋梗塞とは血管が詰まり、詰まった先に血流がいかなくなることで心筋が壊死(えし)してしまう病気です。心筋が壊死してしまった部分の心臓は豆腐のように脆い状態なので、それまでと同じ生活や行動をしてしまうと重篤な心臓合併症を引き起こす可能性があります。しかし、安静を続けると手足の筋力が衰え、いざ動こうと思った時に歩けなくなってしまう危険性があります。そのため、徐々に心臓に負荷をかけながら動いていくことを心臓リハビリテーションと言います。現在は心筋梗塞だけではなく、心不全や心臓の手術後にも適応されています。
心臓リハビリテーションは包括的に行うことで心血管病の再発や再入院を防ぐと言われています。包括的とは、運動だけでなく栄養管理や薬剤管理、疾病管理を実践することです。医師、理学療法士、看護師、薬剤師、臨床心理士、検査技師など、多職種が一丸となって患者さん一人ひとりに効果的なリハビリプログラムを提案、実施します。

当院の心臓リハビリテーション室は、医師2名、理学療法士が7名、看護師2名、管理栄養士4名、薬剤師1名の体制で運営しています。各専門職がひとりひとりの患者さんについて話し合いながら、包括的にサポートさせていただいています。そのなかで、看護師は疾病管理を中心にサポートしています。まずは自分の病気と現在の体の状況について理解していただき、ご家庭で体重や血圧測定、手帳への記録を毎日していただくことから始めます。 日々、データを手帳に記録すると、ちょっとした自分の体の変化に気づけるようになります。たとえば、『最近血圧高くなってきたかしら?』、『体重増えてるけど、足のむくみはあるかな?』など。変化に気がつくことができれば、心臓病が再発、または重症化する前に早めに受診するなど次の行動につながり、早期に治療を開始することができます。

患者様ひとりひとり病気も違い、年齢、性別をはじめ生活習慣や家族構成が違います。「それぞれの患者様に、より健康的に自分らしく生活していただきたい」、そんな思いでサポートしています。
当院心臓リハビリテーション室は、午前中に外来患者様、午後に入院患者様を中心にリハビリテーションをおこなっています。気になる方はぜひ担当医師や当院スタッフにお声がけください。

季節の変わり目に、体調を崩さないようにお過ごしください。