手術室看護師

こんにちは、岐阜ハートセンターに入職して3年目になる手術室看護師です。当院手術室では心臓血管手術のほかに局所麻酔の手術も数多く行っています。局所麻酔は手術部位のみを麻酔するため、全身麻酔に比べて安全性が高いのがメリットですが、局所麻酔でも不安を感じる患者様は少なくありません。

「麻酔が効かないのではないか」、「痛みを我慢できないのではないか」など、さまざまな不安があります。局所麻酔を行う手術は心臓血管手術のような大きな手術ではありませんが、「手術」というだけで患者様の不安には変わりありません。局所麻酔の手術は患者様の意識がある状態で行うため進行状況の声掛けや、好きな曲・聴きたい曲がある患者様には、音楽を聴いて頂きながら不安を少しでも和らげるよう関わっています。

また当院では術前・術後訪問に力を入れています。術前訪問では入室から麻酔導入まで、患者様やそのご家族様に分かりやすい様に写真付きのパンフレットを用いて説明を行っています。さらに術後訪問では、手術を終えられた患者様の身体状況や心境を汲み取り入院生活のことだけでなく、退院後の生活についても患者様の思いを聞き、他部署と連携し切れ目ない看護が提供できるように取り組んでいます。退院後の暮らしに対する不安を解消できるよう、医師、看護師をはじめとする全てのスタッフで情報を共有し、その患者様に寄り添った看護が提供できる体制を当ハートセンターでは整えています。私自身、それこそが継続看護なのだということを日々感じ学んでいます。

以前、局所麻酔手術の術前訪問に行った際、高齢で認知症の患者様とお話しました。手術の流れを説明するとその都度「はい」と返事をしてくださったのですが、聞き返して確認すると説明の内容を覚えておられないようでした。また、手術に対して不安はあるか伺うとその時は「ありません、大丈夫です」と返事がありました。しかし、手術当日、その患者様は術前訪問でお話したことを忘れていました。いざ、手術が始まり局所麻酔を行うと、患者様は「痛い!」、「今から何するの!」と状況を理解できていない様子で、不安を口にされ、動こうとされました。

局所麻酔の手術では、患者様ご本人の協力は大変重要になります。私は、不安を軽減できるよう、手術中ずっと患者様の表情や気配に意識を集中して対応しました。患者様の肩に手を添え、耳元で「今、大事なところなので頑張りましょう。」と繰り返し声掛けを行うことで、少しずつ表情も和らぎ、無事手術治療を終えることができました。

後日、術後訪問に伺うと、手術当日のことはほとんど覚えてなかったようですが、私のことは覚えて下さり、「あんたがいてくれて安心した」と話されとても嬉しく思いました。これからも一人一人の患者様らしさを考え、手術前も手術中も手術後も、親身になって寄り添った看護を行っていきたいです。