良薬は口に苦し

~『トイレが近くなる』『管理も大変』でも、治療に必要な大切な薬です~

心不全で再入院される方の原因の一つとして、薬を処方された用法通りに飲まないことによる病状の悪化が知られています。心不全で入院される患者さまは、10剤以上の薬を内服している方も少なくありません。また、心不全の治療で内服されている利尿薬でトイレが近くなり、辛くなって薬を続けられない方も多くみえます。

「管理するのも大変だし、薬だけでお腹がいっぱいになってしまう」

「おしっこも近くなるし、どこにも出掛けられない」

心不全の患者さまの多くは薬だけでもたくさん悩みを持っています。患者さんにとっても生活があり、「家族との大切な時間」、「大好きな食事」など優先したいことはたくさんあると感じております。しかし、心不全という病気は入退院を繰り返していると、いつか、心臓が一気に悪くなり、復活しなくなってしまうことがあります。

ONE TEAMの心臓病治療

~『あなた』自身が一番重要なメンバーです~

心不全では薬を飲むことで心臓の負担を減らし、働きを手助けしてくれています。飲み忘れることで心臓のサポートをできなくなることがあります。そのため心不全では、薬を「続けて飲むこと」が最も大切です。

入院生活の中で私たち薬剤師が患者さまに携わることが出来るのは、ほんのわずかな時間です。その中で自宅での過ごし方や、薬の管理方法など、退院後の生活への橋渡しをすることが心不全の入院で最も重要と考えております。心不全では自宅でしっかり体調を管理、把握したり、感染予防対策などを行って過ごすことが大切なため、一番重要な治療メンバーは、実は「患者さま自身」であり、「患者さまのご家族」です。患者さまの心不全の付き合い方を含めた人生サポートをするため、あなたの心臓を守るため、薬を嫌いにならずに続けるためのお手伝いをさせてもらうための「工夫」や「決め事」を私たちと共有しましょう。

薬と上手に付き合っていくための『3つの工夫』

~ともに『悩み』、ともに『考え』、皆さまの薬への不安を解消します~

①薬の管理を工夫しましょう!

家に帰ってからの薬の管理に不安があったり、家族の支援が必要な患者さまには1週間毎にセットできる服用カレンダーを勧めています。

「薬の管理ができない」を無くして、入院中に不安を解消するよう努めています。

②飲み方を工夫しましょう!

「薬がたくさんで飲みこみづらい」

「薬飲むだけでたくさんの水がいる」

こんな声を心不全で入院された患者さまからよく聞かれます、患者さまの中には水分の摂取を制限されている方も多くいるのに、薬の内服の時にたくさんの水を飲むのは本当に辛いです。薬局などで市販されているオブラートにはゼリーで薬が飲めるよう開発されているのもあります。高齢になってくると嚥下機能も低下します。オブラートゼリーでは喉に負担なく飲めるため、飲みこみづらいという悩みや、水が多く必要となる方におススメしています。

③正しく飲むための工夫をしましょう!

薬を正しく処方された用法、用量で飲むために「心不全手帳」などを活用し、服薬のチェック欄にチェックするなど、習慣づけることが大切です。体重な、血圧を測定することと同じく、薬も普段の日常として、欠かさぬものにしてください。普段よりも血圧が低い、体重が増えた、などの変化があって薬を飲むことに不安がある場合は、すぐにお問い合わせください。

紹介した「3つの工夫」で薬の管理に要する時間を短くして、趣味や運動の時間に費やしたり、薬を飲むときに必要な水分を減らして、嗜好の飲み物や、食事の水分などで摂っていただきたいと考えています。それぞれの工夫をして、可能な限り「生活の質」を維持することも治療継続に必要な事です。

薬を飲むのが不安であったり、副作用の心配などの悩みがあれば気軽にご相談ください。これからも心不全の患者さまの生活を第一に、ともに「悩み」、ともに「考え」、皆さまの薬への不安が解消できるよう努めていきます。

岐阜ハートセンター 薬剤師 岩田 晃佳