私はキャリア8年目の看護師です。現在は手術室やカテーテル室を担当し、主に構造的心疾患(SHD)のカテーテル治療 <SHDページへのリンク https://gifu-heart-center.jp/medical_shd_team/ >に関わる看護をしています。

構造的心疾患(SHD)のカテーテル治療とは、大動脈弁という心臓から全身に血液を送り出すための一方通行の扉を新しい扉(人工弁)へ置き換えたり、心房中隔欠損症という左右の心臓の部屋を区切る壁に穴が開いている生まれつきの病気に対して蓋をしたり、足の付け根の血管からカテーテルという管を挿入して行う治療のことです。

かつて、構造的心疾患(SHD)の治療法は、全身麻酔下で胸を開いて行う開胸心臓手術しかありませんでした。しかしカテーテル治療の進歩により、高齢の患者様や開胸手術が困難な患者様にも、開胸せずに低侵襲で治療が行えるようになりました。

私は看護師として、患者様に安心して治療を受けてもらえるように、治療前日に術前訪問を行っています。患者様ひとりひとりの治療に対する「思い」や退院後にやりたいことなどを聴き、患者様の「思い」に寄り添った看護が提供できるよう努めています。術前訪問で得た患者様の情報は、治療に携わる医師や看護師、検査技師、治療後の集中治療室看護師、病棟看護師など患者様に関わる全てのスタッフと共有し、病棟・手術室・外来の垣根を越えた継続看護を行っています。また前日に挨拶をすることによって、患者様にとっては担当看護師を知って安心できる機会になります。

私が実際に関わった患者様からは、「手術の時に知らない人たちばかりだと緊張するし怖いから、前の日から会えて安心できました。」との声が聴けました。私自身もカテーテルによる心臓治療の経験があり、患者様側の気持ちは理解しているつもりです。私が術前訪問において大切にしていることが実際に患者様からの言葉が聞かれるとうれしく思います。

構造的心疾患(SHD)のカテーテル治療を受けられる患者様の多くは80〜90歳代ですが、患者様の多くは、「こんな歳になっても手術できると思わなかった。手術が終わって、退院したら野菜作ったりできるからうれしいです。」などなど、退院後の楽しみについてお話を聞けることがあります。患者様が治療を受け元気になっていく姿を見ることが、治療を担当した私たちスタッフにとってうれしいことであり大きな励みになります。

患者様に安心して治療を受けていただくためには、対話を通じて「思い」を汲み取り寄り添った看護が大切であると考えます。

これからも私は対話を通じて安心した看護が提供できるよう日々努めていきます。

入院治療中も、退院してからも、私たちは患者様の暮らしをスタッフ全員で支えたいと思っています。

これからも、岐阜ハートセンターの構造的心疾患(SHD)カテーテル治療チームをどうぞよろしくお願いします。

当院の構造的心疾患(SHD)カテーテル治療について

TAVI:大動脈弁狭窄症に対するカテーテル治療(TAVI) – 岐阜ハートセンター (gifu-heart-center.jp)

ASO:ASD閉鎖 – 岐阜ハートセンター (gifu-heart-center.jp)

LAA-O:左心耳閉鎖 – 岐阜ハートセンター (gifu-heart-center.jp)

MitrraCrlip:MitraClip – 岐阜ハートセンター (gifu-heart-center.jp)

PTSMA: 経皮的中隔心筋焼灼術(PTSMA) – 岐阜ハートセンター (gifu-heart-center.jp)